ブレーキ加熱によるフェード現象

車の運転

2021年8月24日に兵庫県芦屋市山手町の高級住宅街でダンプカーが住宅に突っ込む事故が発生しました。

運転手はブレーキが効かなくなったと証言しています。

その現象について複数回の記事で解説してみたいと思います。

六甲山の山道は急傾斜が多い

阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」に出てくる六甲山系
実は六甲山という山は存在せず、神戸から西宮市・芦屋市・宝塚市などに連なる大小の山を一括りにした名称なのです。

事故が発生した道路は

有馬温泉と芦屋を結ぶ有料道路 芦有(ろゆう)ドライブウエイ(通行料金がバカ高い)の料金所から出で芦屋の中心部へ向かう勾配が急な道路で、近くには関西の高級住宅地として有名な六麓荘(ろくろくそう)が近く事故が発生した山手町も高級住宅街です。

運転に不慣れなドライバーが起こした事故?

事故を起こしたドライバーは40代とのことですが、恐らく車について詳しくないために発生した事故ではないか? と思っています。

その原因は以下の3点のうち1点もしくは全てが考えられます。

事故を起こしたダンプカーは新車だったことから

1.40代のドライバーだから普通免許しか持っていなかった?
2.重い積載物である砂を満載していた。
3.貨物車のブレーキ特性を知らなかった

普通免許しか持っていなかった

平成19年(2007年)に改正された道路交通法で普通免許で運転できる範囲が狭くなりました。

40代のドライバーということで、恐らく改正前に普通免許を取得して現在では中型免許に格上げされたのではないか? と思っています。

運転免許を格上げされたことが悪いのではなく、乗用車感覚でトラック運転していたために事故を発生させてしまった過失運転と思われます。

重い積載物である砂を満載していた

事故現場の映像を観る限り少なくともダンプカーに砂は積載されているようですが、その砂の量が最大積載量を上回っていたのかは映像からは判断できませんが、重たい砂を積載していたことは間違いないようです。

貨物車のブレーキ特性を知らなかった

今回の記事で一番伝えたかったことは、事故を起こしたドライバーを非難するためではなく、貨物車特有のブレーキ構造や事故の原因について解説しようとしております。

考えられる事故原因とは

まず報道では事故を起こしたダンプカーは新車ということなので、車自体の欠陥や故障は考えにくく、新車なのでブレーキが消耗していたことも考えにくい状態です。

大型車両はブレーキが過熱しやすい構造

大型車両(トラック・バス)などはドラムブレーキが使用されております。

ドラムブレーキとは、写真の赤丸の部分にブレーキ部品が密閉されている構造のブレーキです。

ドラムブレーキは安価で、自己倍力作用といって、少しブレーキを踏むと更にブレーキが強く掛かる構造となっており、ブレーキが消耗しにくい優れたブレーキシステムなのです。

ドラムブレーキは、大型トラック・観光バスなどには総輪(タイヤが付いている部分には全て)に装備されているのが殆どです。(新型車のUD車はディスクブレーキに)

また乗車クラスであれば軽自動車の後輪はスポーツタイプを除き、殆どがドラムブレーキであり、排気量1500cc以下の車両でも後輪は殆どがドラムブレーキが採用されております。

ドラムブレーキは安価でブレーキの効きがいいのが最大の特徴ですが、デメリットもあります。

ドラムブレーキのデメリット

ドラムブレーキの最大のデメリットは構造上 放熱性が悪ことです。
ブレーキの部品をカバーで包み込む構造なのです。

ブレーキシステムを密封する構造のため、大雨で道路が冠水した場所を走行した場合などブレーキシステムに水が入り込むとブレーキが効かなくなります。

ドラムブレーキのデメリットは、放熱性・排水性が悪ことです。


そして自己倍力作用といって少しブレーキを踏んだだけで更にブレーキが自然と掛かる構造なので、後輪のブレーキに採用されるには殆ど問題はありませんが、ドラムブレーキを前輪に採用すると車両停止時にブレーキペダルを同じ力で踏み続けていると、カクンと急ブレーキを掛けたような止まり方をします。

ですから大型車両で前輪にドラムブレーキを採用している車を運転する時には停止時に自然に停車させようとすると少し慣れが必要となります。

ドラムブレーキの最大のデメリットは放熱性が悪く、一旦加熱すると冷えにくい構造となっており一定の温度を超えてしまうとペーパーロック現象といって急にブレーキが効かなくなります。

こんかいの事故原因はドラムブレーキの放熱性が悪いためにペーパーロック現象が発生したと考えられます。

ディスクブレーキについて

乗用車やスポーツカーには必ずといって採用されているのがディスクブレーキです。

rotor

写真はあの有名な高級スポーツカー「フェラーリ」のブレーキですが、①の円盤(ローター)を②のブレーキシステム(キャリパー)でサンドイッチ状態で挟み込んでブレーキを掛ける仕組みです。

ディスクブレーキは①のローターが過熱しても走行中の風に当たることで熱を逃がしている構造です。
特にこの①のディスクローターは無数の穴が空いております。

この穴を風が通り抜けることで大気が熱を吸収してくれる構造となっております。

ディスクブレーキのメリットは放熱性が高く、排水性もいいことです。

逆にディスクブレーキのデメリットは、②ブレーキシステム部分しか接点が無いためブレーキの効きはドラムブレーキに比較して効率が悪い。
自己倍力作用も一切ありません。

そして構造が複雑で部品点数も多く高価な上にブレーキパットの消耗が激しい。

最後にディスクブレーキは放熱性がいい分だけ、ブレーキが掛かると ①の円盤(ローター) 部分の鉄が削れる。  ②ブレーキシステム部分の内部にあるブレーキの消耗部品ブレーキパットが削れて放出される。

これにより、ホイルが削れた鉄やブレーキパットによって汚れてしまいます。

国産ホイール

次回の記事ではブレーキが過熱するとどうなるのか?

これについて解説してみたいと思います。

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