自動車業界では「100年に一度の大変革期」といって、どこの自動車メーカーも危機感を露わにしています。
一体何が「100年に一度の大変革期」なのか?
それは大きく分けて2つあると思っていて、1つ目は自動運転、そして2つ目がカーボンニュートラルではないでしょうか?
自動車メーカーによっての差
国内には自動車メーカーが10社以上(自動車工業会 会員)ありますが、メーカーごとの明確な違いとはシャーシー(車体)とエンジンになります。
※OEM車両は除く
シャーシー(車体)は1枚の鉄板からプレス機で形を作って複数枚を溶接でつなぎ合わせて自動車のボディーなどを作り上げ、そこにサプライヤーから供給された部品を組み上げていきます。
数多くの車種を販売している自動車メーカーであっても、共通のシャーシーにすることでコスト削減してきました。
自動車メーカーにとってシャーシー(車体)は儲けの要なのです。
異業種の参入が業界地図を一変させる
それが世界的にも儲かっているIT企業のGoogleやAppleがIT技術を使って車業界に参入しようとしているのです。
特にAppleでは設計はメーカーが行い、製造は全て外注方式のファブレス方式でiPhoneなどはSHARPを買収した台湾メーカーに委託するなどしています。
自動車メーカーにとって莫大な利益を計上している巨大IT企業が自動車業界に参入してくることを脅威に感じています。
カーボンニュートラルがクルマ業界を一変させる
私も驚いたのですが、世界の自動車メーカーでエンジンといえばホンダ・フェラーリ・ポルシェ・BMWだと思っていますが、その中でも排ガスのクリーン、そしてエンジン出力などトータルバランスでは世界ナンバーワンのHONDAがエンジンから完全撤退すると発表されました。
(2040年までにすべての四輪車をEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)にする計画)

HONDAは世界で一番多くのエンジンを作っている会社です。
それはバイク・クルマ・発電機・草刈り機etc
もう数え切れないほどの種類のエンジンを作っています。
わたしが某自動車ディーラーの営業をしていた時、同じ排気量のHONDAのカタログを見ると驚くほど全てが上回っていた。
ワンランク下のエンジンで他の自動車メーカーのワンランク上のエンジンよりも素晴らしかったメーカーが完全撤退するとは…。
巨大IT企業とカーボンニュートラルの影響
さて本題に戻りますが、自動車メーカーが「100年に一度の大変革期」と危機感を露わにしているのが、巨大IT企業が自動車業界に本格参入すると、カーボンニュートラルでエンジン不要となります。
エンジンの代わりとなるのが、電気モーターです。
いわいるEV車ですね。
EV車が脅威となるのは部品点数が極端に少ないことです。
カーボンニュートラルは電動化(EV)になること、自動車メーカーと巨大IT企業と競争になると恐らくですが巨大IT企業の方が技術力は上になると思います。
そうするとどうなるのか?
自動車メーカーはシャーシー(車体)の設備とノウハウだけが強みとなります。
巨大IT企業であってもシャーシーのノウハウや設備投資など異業種の製造業には参入障壁が高いため、特にApple社は工場を持たないファイナンス方式だから自社ブランドの車を作ってもシャーシーだけは外注又は買収しか自動車メーカーを作ることはできません。
これが「100年に一度の大変革期」と云われている理由だと思っています。
どうするスポーツカー市場

起業してビジネスで成功させて上場したお金でフェラーリを買うんだ!
このような夢を持たれている経営者はいると思いますが、この先50年後には間違いなくカーボンニュートラルでエンジンで動く車は殆ど無いと思います。
F1のようなエキゾーストサウンドが魅力のフェラーリだったり、水平対向エンジンの独特のエンジン音がするポルシェ

カーボンニュートラルになることで、あの排気音がスピーカー音に変わると誰がフェラーリやポルシェを欲しがるのでしょうか?
この世の中の流れとして、モノとして扱われると価格破壊となります。
フェラーリやポルシェなどは、モノとしてではく、コトとして優越感があるから高くても買い、所有し続けるのですね。
このカーボンニュートラルによって車業界はコトからモノへとなることが衰退になるのではないでしょうか?
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